ホテル店舗の内装デザインは利用者の印象を大きく左右します。もちろんそれだけで印象が決まるわけではなく、スタッフの気配りとか部屋の清潔さ、レストラン併設のホテルであれば料理の出来栄えなどによっても左右されるのは当然ですが、内装デザインも大きな要素を占めます。また、スタッフとか清潔さ、料理の出来栄えなどは日々改善を図ることもできますが、デザインに関しては一度オープンしてしまえば大規模な改装でもしない限りは変更することが困難であり、最初のコンセプトをはっきりと決めておくことが重要になります。 内装デザインのポイントにはいくつかありますが、よほどありきたりなビジネスホテルでもない限り、ホテルとは非日常の空間であるということは頭に入れておくべきでしょう。日常生活の延長線上でやって来る人もいるかもしれませんが、多かれ少なかれ高揚した気分で、非日常的なものを味わいたいという期待感があるはずです。普通の住宅とは一味異なるデザイン性を考慮する必要があるでしょう。 非日常というキーワードの他に重要なポイントとしては、統一感が挙げられます。エントランスからフロントデスク、エレベーターホール、廊下、そして客室に至るまで、デザインには統一感が取れているべきです。そうでないと、利用する人ははっきりと言葉に出して言わないまでも何か違和感、不快感を感じることになり、落ち着かない感覚を与えることになるでしょう。 内装デザインで最も簡単にコンセプトを打ち出せるものとしては壁や床、天井の色使いが挙げられます。どのような系統の色合いにするかで与える印象をある程度コントロールすることができるからです。例えば都心部にあるシティホテルでは黒系統の色が主に使われることが多いでしょう。黒系統の色にすることで都会的な、シックな感覚を出すことができます。一般論ですが、黒や濃い茶色などの暗めのカラーにすることで高級感を出すことができます。 |